年初の挨拶に、この通信をお送りしようと思っていたのですが。
文章に慣れない上、茶室という度量を越えたテーマを書こうとしたため、一月の末になろうとする時期に、挨拶のお便りをお送りすることになってしまいました。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
今回茶室を紹介した「田園調布の住宅」は、じつは 2007年に竣工したものです。これ以来、茶室や小間のある伝統的な工法を取り入れた建築の仕事をいろいろ頂くようになりました。銀座や京橋では古美術店を数店作らせて頂きました。古美術の好きな方たちは凝り性の人が多いのでしょうか。今までは「木村さんそんなに凝らないでね」とよく言われましたが、最近では、逆に一生懸命凝って考えて丁度のような有様です。大変ですが楽しく仕事をしています。
茶室を設計するようになって、現場で大工に直接指示したり、場合によっては現場に原寸模型を作って検討を進めていくことが増えました。一方、設楽が現場の取りまとめが上手くなってきているので、規模の小さなものは直接施工をするようになりました。
現場監理にたくさん時間を使う自分にはこの方がかえって合っているようです。
去年から湯布院に寺子屋をつくる設計をしています。古い車で何度も往復 2500キロになる旅行を楽しんでいます。その途中で吉野の磨き丸太の生産者を訪ねたり、島根県の瓦業者で90年前の古瓦を見つけたり、そんな毎日です。
とりとめのない話になってしまいました、あらためて今年も宜しくお願いします。
2010年 晩冬
木村優 / 番章子 / 設楽敏生
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